やはり最初に聴いたアルバムというものは思い入れがあり、例えそれが一般に低評価であったとしても大切なものだ。
果たして低評価なのかわからないが、僕がイエスのアルバムで最初に聴いたのは『マグニフィケイション』である。なぜそのアルバムを聴いたのかというと、単に図書館にあったから以外の理由はない。ロックは好きだったが流石に片っ端から聴いていたわけではない。なぜ手に取ったのか思い出せないが、たぶんジャケットになにか惹きつけるものがあったのだろう。イエスの他のアルバムを知ってしまっている今から考えればあんなダサいジャケットに惹かれるとはとても思えないが。
一曲目のタイトルトラック「マグニフィケイション」から一気に掴まれた。プログレを当時知っていたか憶えていないが、荘厳でドリーミーなロックサウンドにハマってしまった。一番好きなのは「ドリームタイム」だが、残念なことに二番目に気に入ったのがボーナストラックの「ロング・ディスタンス・ランアラウンド」である。これには今でも複雑な気持ちだ。ボーナストラックの取り扱いには各社注意して欲しいと思う。
ところで次に聴いたアルバムは『イエスソングス』である。これはこのアルバムがベスト盤だと思ったからで(ある意味間違ってはいないのだが)、プログレはアルバム単位で聴かなくてはならないと思ってしまっている今とは隔絶の感がある。