前回人気について書きました。今回は売り上げです。売り上げも人気と似たように消費されています。

作品の魅力は、売れたか売れていないか関係ありませんが、価格や人気同様に作品の評価にすり替わってしまいます。

作品が売れるかどうかは、作品を作った人たちにはとても重要なことです。作った人が報われるのは、消費者にとっても嬉しいことではあります。また作品の継続性にも関わりますから、非常に気になることではあります。それから多くの人に(売れることによって)知られるのであれば作品について語る裾野も広がります。

しかし、それは作品自体を消費するのとは別物であると筆者は指摘せざるをえません。作品の外部情報なのです。

実のところ、売り上げや、そこから連想される「みんなが知っている」という情報をこそ、楽しんでいる人が少なくないのではないか、と筆者は考えています。それは作品に対して失礼なのでやめるべきであるというのが筆者の主張です。作品と向き合ってそのものを消費するのがあるべき消費の仕方だと筆者は考えているのですが、それは消費のあり方のいちバージョンでしかありません。

いろいろな消費のあり方があります。筆者はどれも正しいなどと言うつもりはありません(であれば、このような文章など書きません)。

いろいろな消費のあり方があります。

初出:note(2017.06)